BL07 装置概要

タンパク質結晶X線回折装置

タンパク質結晶用のX線回折装置は、第1実験ハッチ1内の実験定盤上に設置されて います。回折装置はX線導入ユニット、ゴニオメータ、検出器ステージからなり、2次元検出器としてX線CCD検出器を搭載しています。ゴニオメータにはセ ンタリングユニットが搭載されており、実験ハッチ外からオンビームでのセンタリングが可能です。

X線導入ユニット

スリット

-方式:自動四象限
-分解能:1 μm
-開口量:水平垂直とも10 mm

アッテネータ

-方式:リボルバー
-減衰板数:10(うち1つは空)

シャッター

-方式:ソレノイド
-開閉速度:40 ms以下

コリメータ

-サイズ:0.3 mmΦ

ゴニオメータ

ゴニオメータ(リガク Single Φ)

-配置:縦置き
-回転範囲:±360 °
-分解能:0.002 °
-最高速度:20 °/s
-偏芯精度:10 μm以下

センタリングユニット(Oceaneering Micro-Glide)

-方式:リニアモータ
-分解能:0.001mm
-駆動範囲:±3 mm

検出器ステージ

検出器距離軸

-駆動範囲:75 mm 〜 300 mm

2θ軸

-駆動範囲:0〜30 °(手動)

X線CCD検出器(リガク SaturnA200)

-検出面積:203 mm × 203 mm
-蛍光体:GdO2S
-CCD素子:2 ×2 (Kodak KAF-4320E)
-冷却方式:ペルチェ素子+ジュール・トムソン型ガス冷却
-冷却温度:223 K
-テーパードファイバー縮小率:2.08:1
-ピクセルサイズ:50 μm × 50 μm
-ピクセル数:4168 × 4168
-システムノイズ:18e-RMS/pixel
-ダークカレント:0.1 e-/pixel/sec.
-シグナル:41 e-/photon(1Å)
-ダイナミックレンジ:18500:1(1.54 Å)

窒素ガス噴付け型試料冷却装置(リガク GN2)

-温度範囲:93 K〜473 K
-温度制御精度:±0.5 ℃
-冷却ガス流量:4 〜6l /min.

測定制御システム

タンパク質結晶X線回折装置はリガク「CrystalClear」ソフトウェアシステムにより統合制御されています。このシステムを用いることで、試料結 晶のセンタリングから回転写真法による回折データ収集までを統一されたユーザーインターフェイスでおこなうことが可能です。

実験補助機器類

  • 結晶化プレート保存用インキュベータ(大:2台、小:1台)
  • 液体窒素下保存容器(1台)
  • 液体窒素シーベル(1台)
  • クライオクランプ、ワンド、トング一式
  • プレート観察用実体顕微鏡(3台)

 

X線イメージング装置

X線イメージング装置は第2実験ハッチ内の実験定盤上に設置しています。本装置は入射光学系、試料ステージ、後段光学系、及び画像検出器(X線CCDカメラ)等で構成しています。これらの装置を組み合わせることにより、

・吸収コントラストX線イメージング
・位相コントラストX線イメージング(Diffraction enhanced imaging)
・マイクロX線イメージング

が可能です。なお、いずれの手法においても試料を回転させるCT(Computed tomography)により、非破壊で内部三次元観察が可能です。断面像を再構成計算(フィルタードバックプロジェクション法)するソフトウェアも利用可能です。

 

測定装置の概要

入射光学系

  • 非対称度4及び6度のSi(220)非対称結晶により、入射X線の縦幅を最大10倍程度まで拡大することが可能です(最大20 mm程度)。

試料ステージ

  • X及(水平)びZ軸(垂直)の位置決めステージ、及びCT用回転ステージを準備しています。CTの回転軸は水平及び垂直いずれも可能です。なお、試料の回転中心への調整は回転ステージ上の手動マイクロステージにて行います。

検出器

X線CCDカメラ

ファイバーカップリング型の高感度画像検出器です。
 画素数 4872 pixel × 3248 pixel
 画素サイズ 7.5 μm ×7.5 μm
 有効入力エリア 36 mm × 24 mm
 シンチレータ GOS(15ミクロン)
 フレームレート 1.6 枚/秒

PILATUS 100K

 解像度 487 pixel ×195 pixel
 画素サイズ 172 μm × 172 μm
 有効入力エリア 83.8 mm × 33.5 mm


PILATUS 100K
 

高分解能X線カメラ[1]

画素数
 2560 pixel ×2160 pixel

画素サイズ
 3.25 μm × 3.25 μm(2倍対物レンズ利用時)
 1.3 μm × 1.3 μm(5倍対物レンズ利用時)
 0.65 μm × 0.65 μm(10倍対物レンズ利用時)

有効入力エリア
 8.3 mm × 7.0 mm(2倍対物レンズ利用時)
 3.3 mm × 2.8 mm(5倍対物レンズ利用時)
 1.7 mm × 1.4 mm(10倍対物レンズ利用時)

画像転送レート
 50 フレーム/秒


高分解能X線カメラの構成
[1] Yoneyama A, Baba R, Hyodo K, Takeda T, Nakano H, et. al. AIP Conference Proceedings, 1696 (1), 020007 (2016).
 

観察例

位相コントラストX線CT


スポンジ(左)とインゲン豆(右)の観察例
(計測時間は約3時間)
 

マイクロX線CT


微化石(星の砂)の観察例
(計測時間は約3時間)
 


トルコギキョウ(種)(佐賀県農業試験研究センターご提供)の観察例
(計測時間は約3時間)
 

XAFS測定装置

XAFS測定用の装置類は、第2実験ハッチ内の実験定盤上に設置されています。測定装置は検出器類、各種ステージ類、実験定盤、スリットなどからなります。実験定盤から光軸までの高さは530 mmです。

写真1   実験定盤上のXAFS測定システム(透過法)
実験定盤上のXAFS測定システム(透過法)

検出器

  • イオンチャンバー
  • ライトル検出器
  • シリコンドリフト検出器(SDD)
  • 転換電子収量検出器(他のBLと共用)

詳細は各検出器の項目を参照のこと

試料ステージ(すべて自動、括弧内は分解能とストローク)

  • Xステージ (1 μm、±50 mm)
  • Zステージ (1 μm、±50 mm)
  • θステージ (0.0025 °、±155°)
  • 試料Zステージ (1 μm、±50 mm)
  • 2軸スイベルステージ ( < 1μm、±10°)
  • φステージ (0.002 °、±135 °)

実験定盤

定盤サイズ:1.2 m(L) × 1.2 m(W)

スリット(すべて自動、括弧内は分解能とストローク)

  • 四象限スリット(0.5 μm、0 〜 10 mm)
  • Xステージ (0.25 μm、±10 mm)
  • Zステージ (0.25 μm、±12.5 mm)

計測機器類

NIMビン電源、高圧電源、電流アンプ、フィルター、VFコンバータ、8chカウンタ他

透過法XAFS計測システム

透過法XAFS測定は、標準的な測定手法であり、2台のイオンチェンバーを用いて行います。利用可能なエネルギー範囲は、5 keV〜35 keVです。測定エネルギーによって、以下に挙げる中から最適な長さのイオンチェンバーとガスの種類を選択します。

ガスフロー型イオンチェンバー

ガス:ヘリウム、窒素、アルゴン,クリプトンおよびそれらの混合ガス
長さ/台数:6.5 cm/2、17 cm/2、31 cm/2
最大負荷電圧:2,000 V

図1 SnフォイルのXAFSスペクトル
Sn K-edge XAFSスペクトル Snフォイル

蛍光法XAFS用ライトル検出器

ライトル検出器は、蛍光法XAFS測定で使用します。この検出器は、広い検出面を持ったイオンチャンバーです。

使用エネルギー範囲

3.5 keV 〜 35 keV

試料

希薄試料:濃度 > 0.1 wt.%

薄膜:膜厚 > 100 nm


ライトル検出器

蛍光法XAFS用シリコンドリフト検出器

BL11のものを使用してください。

転換電子収量(CEY)検出器(他BLと共用)

転換電子収量(Conversion electron yield、CEY)検出器は、主に目的元素の濃度が高い薄膜試料のXAFS測定に用いられます。CEY法は蛍光法に比べ、検出効率が高いという利点を持っています。

試料台サイズ
直径:50 mm
使用エネルギー範囲
3.5 keV 〜 35 keV
試料
バルク試料:濃度 > 10 wt.%
薄膜:膜厚 > 0.5 nm

写真3  CEY検出器の概観
CEY検出器

図2 ITO薄膜のIn K-edge XAFSスペクトル
In K-edge XAFSスペクトル(ITO薄膜)

 X線マイクロビーム実験装置

フレネルゾーンプレート(FZP)を用いてX線をマイクロメートルサイズに集光 し、試料の点分析やマッピング測定を行います。集光サイズはFZPの上流に置いたピンホールサイズとFZPの縮小倍率で決まり、8 keVの光子エネルギーの時、集光サイズは縦3.5 μm × 横6 μm、光子数は蓄積電流値300 mA換算で約1 × 106 cpsです。このX線マイクロビームを用いてX線回折法や蛍光X線分析法による点分析や走査型X線顕微測定を行います。

実験装置の概要

フレネルゾーンプレート

  • NTT-AT製 ATN/FZP-100/155
  • メンブレン:SiN(厚さ2 μm)
  • 吸収材料:Ta(厚さ800 nm)
  • 最小最外周ゾーン幅:100 nm
  • ゾーン直径:155 μm

試料ステージ

  • θ軸:分解能0.004 °
  • 2θ軸:分解能0.004 °
  • X、Y、Z軸:分解能 0.5 μm (ストローク ±10 mm)

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